印刷・販売は自分で、ISBNだけ付けられる?
印刷や販売を自分で手配し、ISBNだけを登録済み出版者から付与してもらう方法はあります。ただし、その場合はISBN登録上の出版者名が自分ではなく付与元になることがあり、ISBNだけで印刷、書店流通、取次との契約まで整うわけではありません。自分の名義で出版者登録をする方法、ISBN付与サービスを使う方法、PODなどの出版サービスを利用する方法を分けて、販売先と名義の条件から選びましょう。
「ISBNだけ付ける」方法はひとつではない
ISBNは日本図書コード管理センターが国内で発行・運用を管理する書籍識別コードです。登録出版者が、取得した出版者記号の範囲で本に番号を割り当てて管理します。番号を自分で作ったり、すでに別の本で使われている番号を流用したりはできません。用意する方法は、大きく次の3つに分かれます。日本図書コード管理センター「利用の手引き」
| 方法 | ISBN登録上の出版者 | 印刷・販売との関係 | 向いている状況 |
|---|---|---|---|
| 自分で出版者登録 | 自分の個人名・法人名・条件を満たす屋号など | ISBNを管理し、印刷・販売先は自分で手配 | 継続して出版する、自分の出版者名を使いたい |
| 登録済み出版者のISBN付与サービス | 付与サービスを提供する登録出版者 | サービス条件を満たせば、別の印刷会社を使える場合がある | 1タイトルなど少数で、登録手続きを自分では行わない |
| PODなどの出版サービス | サービスの仕組みによる | ISBNのほか、印刷・販売・決済などの機能を含む場合がある | 本の制作から販売までサービス内で進めたい |
日本図書コード管理センターの新規申請では、出版者情報や出版後のISBN管理が必要です。申請者本人が出版者として登録する方法は、登録済み出版者からISBNの付与を受けることとは別です。どの方法がよいか迷ったら、ISBN付与・POD出版・自力登録の違いを先に確認してください。
本の準備状況に応じた取得方法
| 現在の状況 | 先に確かめること | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 本文PDFと表紙PDFが完成し、印刷会社も決まっている | ISBN付与サービスの完成データ要件、名義、バーコード形式、表紙修正の可否 | 印刷会社を変えず、付与元の名義で発行できるなら単独付与を比較する |
| 本文PDFは完成したが、印刷会社は未定 | 判型・綴じ方ごとのISBN要否、各社の入稿仕様、ISBN付与の申込時期 | 印刷仕様が固まる前にISBNを決めず、候補の印刷会社に必要事項を聞く |
| BOOTHなどの自分のショップやイベントで直接販売したい | 販売先のISBN/JAN入力欄、商品登録条件、購入者に必要な書誌情報 | 販売先の条件を満たすためにISBNが必要かを先に確認する |
| 個人書店や取次を通じた流通を希望する | 取次契約の要否、書籍JAN、返品条件、納品・在庫条件 | ISBN付与サービスだけで書店流通が始まるとは考えず、取次に要件を確認する |
| 今後も複数の本を継続して刊行する | 自力登録の初期費用、必要タイトル数、公開される出版者情報、管理作業 | 自分の出版者名で継続する方針なら、自力登録も含めて比較する |
すでにPDFが完成していても、ISBN付与の前に出版者名や奥付の記載を確定できるとは限りません。登録出版者の指定、表紙へのロゴやバーコードの掲載、完成データの提出・確認など、提供元ごとに条件があります。ISBN登録に結び付く出版者名と奥付の扱いは、ISBN付与サービスを使うと出版社名と奥付はどうなるかも参照してください。
ISBN取得後の印刷・販売・コード管理
ISBNを付与されても、本の印刷・製本、販売ページの作成、在庫、発送、書店での取扱いが自動的に用意されるわけではありません。たとえばブックパレットの公式案内は、ISBNと書籍JANの付与を税込5,280円で案内し、同サービス以外での印刷・製本も可能としています。一方、ISBNが付与されても取次会社を通じた全国の書店販売が可能になるわけではなく、通常は取次会社との契約が必要と説明しています。料金や提供範囲は変わることがあるため、申込時にブックパレットの公式案内と利用条件を再確認してください。
自分で出版者登録をする場合、日本図書コード管理センターは出版者名・住所・電話番号などを出版者情報として公開すると案内しています。また、ISBNを取得した後は、どの本にどの番号を付けたかを出版者自身で管理し、販売・頒布する市場ごとの書誌情報登録方法も確認します。新規申請の注意事項
書店での流通を考える場合、ISBNと書籍JANの要件も区別してください。日本図書コード管理センターによれば、書籍JANはISBNから作成する二段バーコードで、別途登録が必要です。販売先ごとに必要なバーコードや商品情報の条件が異なることがあるため、書籍のバーコードを作る方法と表紙PDFの注意点を確認し、予定する印刷会社や販売先にも仕様を問い合わせてください。
申込みや登録の前に確認する項目
- 出版者名義:ISBNの登録上、どの個人・法人・出版者名が表示されるか。奥付、表紙、販売先の商品情報の表記はどうするか。
- 対象となる本:完成原稿・表紙データの提出が必要か。ISBN付与対象となる出版物か。内容や権利処理に関する審査・条件があるか。
- 本の仕様:紙・電子、判型、綴じ方、改訂版などにより、別ISBNが必要か。
- バーコード:書籍JANが必要か、登録料や更新があるか。バーコード画像の作成・配置は誰が行うか。
- 販売と流通:印刷先の自由、直販サイトへの商品登録、書店・取次の契約、返品・在庫条件を別々に確認する。
- 費用と作業範囲:表示価格に含まれるのがISBNだけか、JAN、バーコード画像、奥付確認なども含むか。印刷費・送料・販売手数料は別か。
このチェック項目を埋めると、欲しいのが「ISBN番号そのもの」なのか、「ISBNを含めた本の出版・販売支援」なのかが明確になります。申請費用の違いも整理したい場合は、ISBNを1冊だけ取得する方法と費用をご覧ください。
株式会社登紀わでもISBN付与に関するサービスを検討していますが、現在は準備中です。正式な出版者名義、価格、提供条件、受付開始日は確定していません。最新の準備状況はサービス概要でご案内しています。
情報確認日:2026年10月12日。制度とサービスの料金・条件は変更されることがあります。出版者登録、ISBN/JANの要否、印刷・販売条件は、それぞれの公式窓口と予定する取引先で再確認してください。